水産アイデアソン、ハッカソンを開催しました(ハッカソン編)

公開日: : 最終更新日:2017/09/11 イベント, ハッカソン

水産IT協議会は、衰退の危機にある日本の水産業界の健全化、活性化を目的に、日本初となる水産をテーマにしたアイデアソン、ハッカソンを2014年8月1日〜8月2日に東京築地の株式会社フーディソンにて開催しました。
アイデアソンの様子についてはコチラをご参照下さい。この記事では土曜日に1日かけて行われたハッカソンを紹介します。
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前日のアイデアソンで出たアイデアを貼り出しています。アイデアソンに来られなかった方々も興味深く見ていました。

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まずはゲストとして来られた船橋の大平丸の漁師で、アクアカルチャーという団体で漁食普及の活動をされている山本浩司さんから、漁師の現状や抱えている問題についてお話して頂きました。
漁師の方から直接話を聞く貴重な体験が出来ました。
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実は東京湾はスズキの水揚げ量日本一なんです。何と山本さん自ら漁獲されたスズキを持ってきて頂きました。
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魚の説明をしながら手際よく捌いていきます。こんなに近くで見る機会は無いので皆さん食い入るように見ていました。

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スズキの解体を行いつつハッカソンスタートです。前日のアイデアソンや山本さんの話を参考に、テーマ毎にチーム分けを行いました。

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それぞれのチームで何を作るのか話し合っています。漁師の意見として山本さんとも熱い議論が繰り広げられていて、何が出来るのかワクワクしてきます。

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先ほど捌いたスズキを使い、昼食にお寿司やお刺身を提供しました。

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発表開始間際までモクモクと議論や開発が行われています。初対面の方も多いのですが見事なチームワークでした。

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プレゼンの順番も決まり発表スタートです!

チーム1 魚コレ

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買い手がつかないけど美味しい魚を食べてもらう為に、魚の詰め合わせにコレクション要素のあるカードを同封して売るプロジェクトです。
ヒイラギ、オコゼ、スズキ、サッパ、ダツのカードをつくってくれました。
その中でもダツはレアカード。カードの裏には魚のウンチクやオススメ料理法が書いてあります。ボラバーガーがオススメだってことを教えてくれます。
食べた魚が記録できてその内容に応じてバッチがアプリ上で付与される仕組みで、イカを複数の種類食べるとイカ娘バッチがもらえるそうです!

チーム2 珍しい魚を食べよう

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当初辞典をつくるところからポータルサイトへ変更!
魚の基本情報に、漁師さんから動画やレシピを紐付けて、地域ごとの食べ方などを蓄積する仕組みです。その先には漁師さんの個人ページにつながってそこから通販に展開することも可能。生産者と消費者を直接つなげる仕組みですね。

チーム3 未利用魚も簡単調理「ぎょぐる」

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女子大生(休学中)が一人でプレゼンした魚レシピ検索サイト。食べたことがない魚は調理理方法も分からないから、なかなか手を出しづらいですよね。食べたらおいしいのにマイナーだから廃棄されてしまう魚でも家庭も楽しめるようにと考えられたのがこのサイト。魚の名前や赤身白身などの特徴を入力すると、レシピを調べることができます。特徴は検索した魚のレシピだけではなく調理法が類似する魚種も調べることができ、逆に調理法から検索すればその調理法に適した普段使わない珍しい魚にいきつくこともできるということ。無名な魚でも味や調理法が似ているメジャーな魚を知ることができれば、料理することが怖くなくなりますよね。

チーム4 魚の流通に革命を起こす「FISH & FIRE」

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今回のハッカソンで一番の大所帯となった5人のチームがプレゼンしたのは、漁の成果を先に買う、漁クラウドファンディング。大量の水揚げがある漁師とアジを3尾だけ欲しい消費者を点と点で結ぶことには無理があります。だからみんなで漁船のパトロンになって、漁師を応援しようという仕組みです。漁師がイケメンだから、故郷の船だから、などなど利用者は漁船の情報を見て出資する船を選びます。パトロンになれば魚の共同購入はもちろん、漁体験など漁師と直接コミュニケーションをとることもできます。漁師と消費者が一本の線でつながる可能性を感じる、新しい鮮魚流通そして新しい生産者と消費者の関係の提案でした。

チーム5 漁師とシェフをつなぐプラットフォーム「Bit Fish!」

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これまで漁師が獲っていながらも商品化されていない未利用魚を、Twitterを活用した入札システムでシェフが値決めをしながら購入することが出来る仕組みの提案です。
Bit Fishで未利用魚を購入するカリスマシェフからのTwitter拡散も考慮しての内容です。
日本で獲れる魚種は3,300種と非常に多彩ながら、商品として流通しているのはごくわずか。これまで活用されてこなかった、けれども本当は美味しい魚に値段をつけて商品化することが可能となる内容。水産資源の有効活用の面でも効果が期待されます。

チーム6 そうだ、「漁港」へ行こう

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水産品を通じた消費者と生産者をつなぐSNSサービスです。
消費者がこのサービスを活用し生産地(漁港)の地図を拡大していくと、産地の今の情報を知ることができ、生産者の顔までも確認可能な仕組み。
これまではなかなか伝える切ることができなかった生産地の情報が広がることで、産地のブランド化が期待されます。
食の安全の意識の高まりを背景に、ニーズがありそうです。

チーム7 漁師が作る料理サイト

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産地では捨てられることも多い雑魚を、産地でしか知られていない食べ方で楽しもうという資源に優しいサイトです。
料理方法を検索すると、捌き方から教えてくれるのでなんとなくチャレンジできそう。
漁師飯が食べたいと思っても、漁師と知り合いになる機会なんてそうそうあるもんじゃないし、、
だったら自分で作ってしまえという発想は料理の腕も上がり2倍も3倍もお徳。
雑魚なんてどこで購入できるの?このサイトで販売までしてくれるそうです。

チーム8 月額(低額)魚直送サービス

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通販で魚を買うサイトはいくつかあるけれど、月額定額というのは斬新で面白いところ。
消費者は自分で申し込んだ金額の範囲で、欲しいタイミングで欲しい量だけ欲しい魚種が買えます。
生産者にとっては決まった金額が収入として入るのでうれしい。これまで小ロットすぎて儲けにならなかった
BtoCの新しい仕組みはどちらにもとってもwinwin。

結果発表

協賛企業の練馬の魚屋「シュン」からシュン賞が送られました。受賞したのはチーム5の「Bit Fish!」です。
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そして、参加者の投票で1位となったのが、チーム1の「魚コレ」とチーム8の「魚直送サービス」です。同一票を集めていました。
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ハッカソンを終えて

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日本発の試みとして実施した水産ハッカソンですが、漁師さんのお話や魚の解体ショーが行われて、ハッカソン以外にも色々楽しめるイベントになりました。懇親会にも多くの方が参加され、日本の水産業について大いに盛り上がり、エンジニアやデザイナーに興味を持ってもらう事で課題解決に繋がる糸口が見つかったのではないでしょうか。

参加した協賛企業や漁師さんも次の開催に乗り気です。下のFacebookページやtwitterをフォローしておくと最新情報が得られるので、是非ご確認下さい!

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